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そんな中での突然の出張。
どんなに遅くなってもちぃに会いに行くつもりでいた俺には、寝耳に水だった。
それでも出来るだけ早く帰れるよう段取りを組み、予定より1日早く帰れるようにした。
残るは1社のみ。
これを終わらせれば、今日の夜にはちぃに会える。
先方の会社で話し合いを始めてすぐ、俺のスマホが着信を知らせて震えた。
勿論、マナーモードにしていたため先方には伝わっていない。
とても紳士的な先方の専務は、皇紀の知り合いとのことで、とてもスムーズに話しは進んでいた。
だが一度止まったスマホは、また震え出した。
何度もそれが続いていると、ふと先方の専務が顔を上げた。
「取ってください」
「え…」
「お電話、何度もかかってきているでしょう」
「あ…」
俺は内ポケットを押さえた。
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