焦燥

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「仕事ばかりの方かと思っていましたが、いい顔をされている」 じっと俺を見る目は、柔らかな微笑みとは対照的に鋭かった。 「あなたにそういう相手がいて良かった」 上山専務の言葉に頭が下がった。 「申し訳ありません。話し合いはまた後日ということでお願いできませんか?」 素直に頭を下げてそう言うと、上山専務はにっこり笑って頷いた。 「また日程が決まり次第連絡下さい。 車を下に待たせてあります。行って下さい」 「ありがとうございます」 頭を上げると、上山専務は嬉しそうに笑っていた。 「部下に案内させます。 立石<タテイシ>、下まで送ってさしあげろ」 「はい」 進み出て来たのはちぃと同い年位の男性社員だった。
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