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その時、ソファに座っていた真壁が立ち上がった。
「統括部長、勝手に話しを決めないで下さい!
今日中に話し合いを終わらせていただかないと、今後の業務に差し支えます!」
ヒステリックに叫ぶ真壁に、その場にいた全員の視線が集まった。
「私がいいと言ったのですが、それだけでは足りませんか?」
上山専務の冷たい声が室内に響く。
「あ…いえ…」
「私で足りないのなら、社長の許可をとりましょうか?
そちらの専務や社長の許可でも結構ですよ」
冷たい眼差しで見つめられた真壁が震え上がり口を閉ざした。
「行って下さい、木村さん」
こちらに向き直った上山専務は、表情を緩めてそう言った。
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