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私と香織は、大学のサークルで出会った。
香織は私よりひとつ年上だったが、お互いサバサバした性格で気が合い、姉妹のような間柄になっていた。
「で、あんたは大丈夫なの?」
それまで、男に対する悪態をついていた香織も(最後の方は仕事の愚痴になっていたけど)
2杯目のジョッキが空になる頃には少し落ち着いて、私を労るように見つめてきた。
「大丈夫だよ」
対する私は、まだ1杯目のジョッキをチビチビ傾けながら、苦笑するしかなかった。
「好きだったとは思う。頼りにもしてた。
でも、それ以上の何かはやっぱり見つけられなかったかな」
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