霞む瞼の裏

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「ハハ、ごめんごめん。ほら、俺達の学部じゃ、只でさえ女子って希少じゃない?」 「そそ。ここ入って学部の男女比率知った時、唖然としたよなー」 「堀内さんとは話したことないしさ。見ちゃうのはしゃーないって」 そんなもん? 俺には全く分からん、と視線を隣へ移す。 友人の注意が俺に向いた今だ!と言わんばかりに、堀内は顔を俯かせたままカレーを口に運んでいた。 ――が、それも束の間。 「堀内さん良かったね。いやー、馬木がこうやって女子と付き合うなんてなー。俺なんてまだ、っまだDTなのに」 「……ディー?」 何故か俺の方を見てくる堀内に、アンタは知らなくて 「いいから」 と、それ以上追求しないよう釘をさす。 「ね。馬木にカミングアウトされた時、どんな心境だった?」 そんなのお前らが一番知ってるだろと俺が言えば、 「俺はただ、ふーんって感じだった」 と。 嬉しいこと言ってくれるじゃないの。
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