赤と黄色のご馳走

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  「ボディー、ローション?」 「はい。いつもお風呂上がりにマッサージしてるんです。恵子ちゃんが、そうすれば肌がスベスベになって血行も良くなるからって教えてくれて」 数日後、早速堀内が家に来たので聞いてみると、匂いますか?と、鼻に腕を付けてスンと自分の匂いを嗅いでいる。 どうやら、ローションと聞いて俺が想像した物とは別物のよう。 そうだよな。この人の口からサラリとそんな単語が出てくるわけがない。 「ごめんなさい。毎日嗅いでる香りだから、気付かなくて」 「……いや。香水とかなら俺も何か言えたけど、そういうのの匂いなら、俺の鼻が良すぎるだけなのかも」 言い終えて、女って大変だなと思う。 外だけじゃなく、家の中でも外見のこと考えて色々してんの? 8畳の部屋の真ん中にある低い四角いテーブルに、俺と堀内は対面して座る。 「で?」 「え?」 テーブルに頬杖をつく俺に、堀内のキョトンとした顔。 ……いやいや。 「『レポートの出し方で分からないことがあるから教えてほしい』そう言ってきたのは、どこのどいつ?」 声をデカくして言えば、堀内は、ん、と強く目を閉じて肩を縮める。 「す、すみません。すぐにプリント出します」 堀内が忙しそうに鞄からペンケースやらを取り出すと、途端にテーブルの上が散らかる。 「……」 「す、すみません!」 「いいから落ち着け」
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