赤と黄色のご馳走

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「ね。なんでそんな、自分なんか、って言い方すんの?」 さらりと聞いた俺とは違って、堀内はその質問に一瞬だけ顔を曇らせる。 なんだ? 「そういう性格なんですよね」 たははと笑う堀内に何かを誤魔化された気がして、俺は消化不良を起こした。 気にはなるけど、まぁいいやと床に寝そべる。 肘枕をして堀内を見上げると、挙動不審に目を反らされた。 俺相手に緊張してんだよな、これ。 そういう人間は今までいなかったから、変な気分。 俺の言葉にいちいち見えない汗マーク飛ばして、ちょっと肘が当たったくらいで顔真っ赤にして。 その口からは、いつも後ろ向きな言葉が出てくる出てくる。 外に友人はいるみたいだけど、堀内が大学で誰かと一緒にいるところを見たことがない。 でも、教室で挨拶くらいは交わしているみたいだし、イジメにあってるってわけではなさそう。 堀内の他にも1人で過ごしている生徒はいるし、大学じゃ珍しいことじゃないのかな。
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