第5話

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馬鹿だ、とか、 不誠実だ、とか、 馬鹿馬鹿しいとか、 色々と思うことはあったはずなんだけど、 それでも愛しくて、それでも好きで、 それでも繋ぎ止めたいのならば、 この時間だけでも一緒に居たい。 花が香る甘い甘い愛の時間。 「今度はそらの番だよ」 響に目隠しをされた。 私の唇に触れる口づけと、指先に落とされる口づけ。 ……見えない分、敏感で背中や足に甘い電流が流れた。 「どっち?」 そんなの目隠ししてるからこそすぐ分かる。 甘い花の香りは唇に、 ミントのような爽やかな香りは手に。 簡単すぎて笑いが溢れた。 「もっと」 『難しく』そういった意味のつもりだったのに。 「もっと『大胆に』していいの?」 楽しそうに尋ねる響に、クスクスと笑うお兄さん。 「でもね、響。残念ながらそらは僕のものです」 「まじ?」 「はい。そして君は、誰のもの、なんでしょうね?」 チュッ と音を立てて軽く二人はキスすると、私への愛撫を再開した。 ああ、このまま二人の腕に閉じ込めて。 離さないでずっとずっと、この花に埋もれていたい。
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