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「目隠し、次はお兄さんの番だよ?」
「だから……そらは名前を」
そう苦笑しながらお兄さんは、目を閉じた。
「響!?」
お兄さんの声で目を覚ますと、シーツから飛び上がるお兄さんと、響が居た場所が冷たくなっていた。
「しまった! 眠る前に響を縛っておくべきでした」
「……いや、お兄さ……聖さんが一番先に寝たから」
私も長ったらしい髪をかきあげると、トントンと階段を上がる音がした。
「フルーツとヨーグルトしか無かったけど……って何慌ててんの? 聖さん」
苺と桃、キウイが乗ったお盆とヨーグルトが乗ったお盆をベットに持ち込んだ。
自分だけズボンを履いている。
「びっくりしました。響が居ないから……」
「俺が嘉山さんの所に行くと思った? 場所も連絡先も分からないのに?」
キウイをフォークで突き刺すと、ヨーグルトに潜らせて、お兄さんの口元に運ぶ。
お兄さんも慣れた素振りで口を開けた。
「だって行かせたくなかったので……」
「そう? 俺は3人でイチャイチャする方が楽しかったよ」
最後まではしなかったけど。
目隠しした人をしてない人が愛撫してイかすだけの、じゃれあいだった。
それでも、非現実的でちょっと異常な光景だったけど。
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