第5話

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「おに……聖さんが困ってるならば暫く手伝うのは構わないけど、就職先はもうちょっとよく探してみる」 「んな事言ったって、その年齢で受付嬢とか厳しくなるぞ」 「うるさいわね」 「……なるほど」 お兄さんは少し考えてから、私を見て言った。 「じゃあちょっと、今日は一緒に打ち合わせに行きましょうか」 「えーと……打ち合わせってAngel Garden?」 「はい。本当は響にお願いしたかったんですが……」 チラッと見るので私も見たら、響の両腕には昨日の縛られた後がはっきりと残っていた。 確かに長袖でも手首は見えそうだ。 「響は誰が見張るの?」 「俺は大丈夫だって。なんなら静也さんとこ手伝うか聖さんの花の箱詰めしとくから」 信用されていないのに不満を持ったのかやや拗ねた口調で言われた。 「あの元婚約者に、聖さんがこんな若くて可愛い子と婚約したって見せつけて来いよ」 「響!」 「俺、あのオバサン嫌いなんだよね。あんなに慰謝料聖さんに押し付けてAngel Gardenと提携させやがって」 「それは誤解ですって」 「本当じゃん。あそこのブーケだけ他より安く請け負ってんじゃん」
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