溶かして固めたキモチ

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気になって顔を正面に戻すと、俺の心臓がドキリと跳ねる。 今から家に帰るんだろう、リュックを背負った堀内がきゅっと口を結んで立っていた。 お、おぉ。 昨日の後処理をどうすればいいのか一晩考えても分からなかった俺は、堀内を目の前にして、表情には出さないが内心焦る。 「これ」 「……え?」 顔に影が出来るくらい俯いた堀内は、手に何かを持っている。 俺は、目の前に突き出された物を見つめる。 平たい長方形の箱。 丁寧に包装されていて、鮮やかな濃いブルーのリボンが結ばれていた。 「え?」 俺に……くれるの? 「馬、」 声が掠れてケホンと咳払いをする堀内は、俺の名前を呼び直すと、珍しく真っ直ぐ俺の目を見て話す。 「こうやって、馬木さんに話し掛けるの、最後にしますから」 俺にそう言うと、堀内は後ろの宮川にも視線を送る。 いつもなら何度もどもるのに、言葉を句切って一呼吸挟んで、時間をかけて話す堀内からは健気さが伝わってくる。
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