溶かして固めたキモチ

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口の中で頬を噛む俺は、手に持った中身の分からない箱に目をやる。 「これ……ありがと」 「……」 じっと立っている堀内は遅れて大きく頷くと、早足で教室を出ていった。 最後までその姿を見届けると、他の棟で試験を受けていた筈の友人が教室に入ってくるのが見えた。 立ち尽くしている俺と目が合うと、いたいた、と片手をあげて側までやってくる。 「お疲れ」 「ん、久しぶり」 「なぁ、このあと暇?」 「あーごめん、俺バイト」 椅子に座り直すと、堀内から貰ったものをカバンにしまう。 「どうしたの?」 そう野崎が友人に聞くと、俺も顔をあげてそいつを見る。 友人は、堀内が出ていった方を見つめていた。 「テスト、出来なかったのかね?」 「誰が?」 「さっきすれ違った女子。泣きそうな顔してたから」
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