溶かして固めたキモチ

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「なぁ宮川……一応俺はあいつの彼氏で、あいつは俺の彼女なわけだが。なんであいつは野崎の隣に座ってんの?」 「知らん」 「妬かない、妬かない」 向こうから顔をひょっこり出してくる野崎は、仏のような顔で笑ってる。 あぁそうね。どっちかっていうとお前をとられた気がして妬いてるんだ、俺は。 「あーあ、羨ましいなぁ。馬木は明日、貰えるって確定してるんだから」 「貰える? 何を?」 宮川に聞いても、同じように首を傾げる。 「そっか。今まで馬木には関係なかったもんな」 野崎はそう呟いた後、堀内の方を向いて、 「堀内さんが初めてだ。確か、作るんだったよね? 頑張って」 と、何やらエールを送っている。 堀内は一度浅く頷いて、フン、と力を入れて口を閉ざすと、それから何度も頷いた。 お前の耳にはメタルバンドの曲でも流れてんのか。 「お前らさぁ、付き合っちゃえば?」 プラスチックのカップを持とうとして、アチ、と声を漏らす俺に、野崎と堀内の視線が向けられる。
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