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「なに?」
「ハハ、こっちの台詞。なに唐突に。どうしたの?」
“どうした”?
――ズ
カップの口を持ってジンジャーミルクを口に含むとほのかな甘みが広がって、ぴりっと舌を刺激する。
俺はベ、と舌先を出して、一語一句同じ言葉を繰り返す。
「お前らさ、付き合っちゃえば? 堀内も俺といるより、野崎の隣の方が居心地良さそうだし」
「……。だって、堀内さん」
「い、いや。私なんかが、そんな――。馬木さんと付き合えただけで、末代までの運を使い切りましたから……」
いっこ、2個3個。
今日も俺の目には、堀内の周りで飛ぶ汗マークが見える。
「なんでそんなに仲良くなったの」
俺はテーブルの上に身を乗り出して頬杖をつくと、半分グニャリとズレた顔で問う。
観察するように目を凝らしていたら、無言で顔を見合わせる2人。
俺は、仲良しか、と心の中で突っ込んだ。
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