溶かして固めたキモチ

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「ほら、堀内さん、大学で俺達といても端でポツンと1人だろ? 馬木は宮川らとの話に夢中だし。俺がそういうのほっとけないから話し掛けるようになっただけで……。 まぁ、毎日言葉交わしてるから、仲良く見えても仕方ないのかな」 “毎日” 野崎の言う通り、大学の食堂で堀内が俺達のテーブルに来た日から、度々一緒に昼食をとるようになった。 このところ昼は毎日一緒だ。 「それ、俺が堀内をほったらかしにしてるみたいな言い種……」 俺が『一緒に飯食おう』って言ったわけじゃないだろ? 湯気がのぼるカップを見下ろして、親指の腹で縁を撫でながら言えば、隣の隣からわざとらしい咳払いが聞こえた。 「今お前が話してることは、ここで話すようなことじゃないよ?」 野崎のそれは、まるで園児に“もうしちゃいけないよ”と、優しい声で諭す先生みたい。 ……俺のせいなの? 俺を好きだって言ってるのは向こうなんだぞ。 だったら、話題を振るべきは堀内の方だろ。 俺は野崎ほどお人好しじゃないし、それが嫌なら俺が『別れる?』って聞いた時に首を縦に振ればいい。
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