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ここは、高校の教室の修了式後のHR風景、今回の主人公となるのは、窓側の一番後ろに座っている、窓の外を眺めている少年、そして、その前の席でそわそわしている少年である。
「はい、それじゃあ、お前ら全員気を付けて春休みを過ごすように!また来年二年生として会おう!」
「やっっとホームルーム終わったぁ。」
「あぁ。」
周りが、ガヤガヤと騒ぐなか疲れた様に一息つく少年が、落ち着いた少年に言う。
「ヒイロ~。今日何して遊ぶ?」
「ん?そう……だな……。ゲームで良いんじゃないか?」
と、ヒイロ?少年が言うと。
「あっ!あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!忘れてたっ!ヒイロ!今日だよ、今日!」
と、騒ぎ出すが、ヒイロ?少年は。
「ヒデ、どうしたんだ、急に騒ぎ出して?とうとう厨二病でも発症したか?」
ヒイロ?少年は口が、ヒデ?少年は扱いが悪い様だ。
「そうなんだ。とうとう、俺の中にある魂が雄叫びを……って、違う!思い出せ!今日は俺達の誕生日だ!」
二人の少年は、今日が誕生日の様だ。
「ヒデそれくらいは解っている。それに、その為に開くパーティーより、都合で早く集まるから、って、その時の暇潰しの話だろう?」
捕捉として、この少年達の家は隣同士で、さらに、両親同士が元々仲が良く、その縁で、二人の誕生日は、何時も両家が一丸となり盛大に行われる。また、その時、サプライズがしたい!と、そういった理由で、二人はパーティーが開かれる家のヒイロ?少年の部屋から、始まるまで出られないのである。
「ヒイロは、わかってないな~。今が何月か忘れたのか?」
「ヒデ、3月だろう?それがどうした?…………あぁ。そうゆう事か。」
「そう!今月は、あの!世界初の完全VRMMORPG『ファンタジーライフ』の発売予告の月!そして、その会社の言った通りなら俺達の所にゲーム機が来るかもしれない!」
この会社の言ったこと、とは、「我々の会社は、革新的なVRMMORPGの開発に成功しました。ですが、この技術はまだまだ高価であり、本当に遊んでほしい子供達の手には届かない物です。それ故に!我々は、この『ファンタジーライフ』の産まれた3月の籤で決まった日の誕生日の子供達百人に『ファンタジーライフ』の一式を無償で贈りたいと思います!」
と、言ったこと、であり、これまで贈られた人達はまだいないのである。
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