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走った。
走って走って走って走って…
疲れたので立ち止まった
下にある水溜りの上に
自分の顔を見ていた
雨粒が落ちる度に歪む私の顔
今にも泣き出しそうだった
でも、泣けなかった
あぁ、私ダメだなぁって
私は自分の顔を見ていた
心と話す気持ちで
瞬きをしないようにした
顔が歪まなくなり
ポチャン
「あっ…」
落ちた
雨じゃない
雨はもうやんでいた。
空には虹が出ていた。
「きれい…」
ポチャン
ん?
水溜りの上におばあちゃんが現れた。
「あんたも、この虹のように綺麗だよ。
そのうち消えてしまうかもしれないくらい儚いけどねぇ。」
そういっておばあちゃんは消えてしまった。
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