ふたりの告白(後編)

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門の前で向き合うと、月明かりの下、丸い瞳が潤んでいてそれくらい恥ずかしかったのかと思う。 「繋ぐの、嫌だった?」 「え……?」 小刻みに首を横に振る堀内に、『……ほらな』と俺は微かに笑む。 「傍にいるだけで嬉しいなんて思うのは、最初だけなんだよ」 意地の悪い台詞を吐くと、堀内は俺を見上げて、ただ寂しそうに微笑む。 「……俺達が付き合ってる内は、俺が他の男のことを気にするのも、恋人として可笑しいことじゃないよな」 それだけ覚えといて。そう言って、冷える手をパーカーのポケットに入れる。 視線を落とす堀内は、髪を耳に掛けながらハニかんだように口を歪めて頷いた。 「あと」 「……?」 「俺、酔ってるから」 「え?」 「公園からここまでの行動とか態度は、全部忘れて」 顔を横に反らすと、微かな笑いが混じった声が聞こえる。 「忘れられるかな」 チラッと堀内を見て、早く家に入れと肩を押した。 きっとまた、俺が見えなくなるまで見送るつもりだろ。 堀内はそんな奴だ。
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