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「あ……いや、なんでもないです。独り言?」
「疑問形で返されても」
「ふふふー……ねぇ、佐藤くんに質問。白色って、どんな色?」
ころ、と四月一日の手のひらで絵の具が転がった。ころ、ころ、ころ。こちらに視線を向けてくる四月一日の目が綺麗だった。純粋無垢に、輝いて。
「ねぇ、佐藤くん?」
「っと、……普通に綺麗、とか。あとは……あぁ、柔らかいとかかな」
「そっか」
ちぃさく四月一日は微笑んだ。その笑顔の意味は解らない。解らないくせに答えを出すとか、にこにこするのは、俺の特技だから。
「四月一日にとってはどうなのかな?」
「わたし……?聞かれるのは久し振りだなぁ……んー……」
三点リーダーを四月一日は振り撒きながら考える。
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