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「世界がつまらないから、わたし死んじゃうわよ?」
「……嘘だろ」
「勿論」
にこにこ、穏やか、儚く、可憐に、美しく、可愛らしく、
微笑んで、
「誰もわたしを正直者だなんて言ってないわよ?こんな、病弱で、細い女の子が、嘘を吐いたら駄目?似合わない?」
「……」
「沈黙に逃げるのは、賢い証拠。卑怯だけどね」
する、と手が離れた。黒いブレザーにシワが寄っている。それを、四月一日は愛しそうに見詰めた。
「か弱い女の子が、嘘を吐いたら駄目なのかしら。馬鹿げているわ。勝手なイメージを作って、期待するなんて」
「……別にいいんじゃないのかな」
「あら、ありがとう?君が本当にそう思っているのは、うっすら解るわ」
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