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少し目が潤んだ私を見て、佑真は笑いながらビールを飲んでく。
「泣いてもいいけど?」
「泣くわけないでしょ、バカ」
人前では泣きたくない。
昔からそうだった。もちろん佑真の前でも、マネージャーの志摩の前でも一度も泣いた事はない。
仕事でつらいことがあっても、悔しくてどうしようもないときも、人前ではガマンしてしまう。
「…俺の前では泣いてほしいんだけどな」
佑真が何か呟いたけど、その呟きは小さすぎて私の耳には届かなかった。
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