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「…戻ってきてよかった…」
私の首筋に顔を埋めながら、掠れた声を出す。
「…桃花を部屋に入れたのは…軽率だったって反省してる。…本当にごめん。…ただ…俺はお前を裏切るようなことは絶対にしてないから」
…きっと、今1番聞きたかった言葉。
…恭ちゃんの口から、聞きたかった言葉。
「お前が俺のこと信用できなくなってるなら…信じてもらえるまで何だってする。…何を言われても…お前から離れる気はないから」
恭ちゃんが私を抱きしめる強さが、一層強くなる。
…私の腰に回しているその手に、ゆっくりと自分の手を重ねた。
「…私…一瞬でも恭ちゃんを疑った自分が嫌だったの。…あんなに私を大事にしてくれてた恭ちゃんが裏切るはずなんてないのに」
…恭ちゃんは黙ったまま…私の肩に顎を乗せて、話を聞く。
「どうして桃花さんを部屋に入れたんだろうって…どうしてあんな状況になったんだろうって…ずっと考えてた。…でも…考えてたら…結局恭ちゃんに会いたくなってた…」
だから今恭ちゃんがここにいることに…まだ動揺してる自分がいる。
…こんなに早く…この体に触れられるだんて思ってなかったから。
恭ちゃんのことを信じなかった私に…失望したかもしれないと思っていたから。
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