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普段よりも急いで体を洗って、ゆっくりと渚の背後に腰掛ける。
…密着した体から彼女の緊張が伝わってきて、思わず声を出して笑ってしまった。
「…何で笑ってるの?」
「別に。…かわいいなーと思って」
「…なんか恭ちゃん…余裕だね。…私1人で緊張してバカみたい…」
「…余裕なんかないよ、いつだって。…お前には」
振り回されっぱなし。
…女に振り回されたことなんて今まで1度もなかったけれど。
渚に振り回されるのは、けっこう好き。
「…女と風呂に入るのも初めてだし。入りたいと思ったことだって今まで1度もなかったし」
そう言うと、ゆっくりと顔だけ俺の方を向いて上目遣いで俺を見上げてきた。
「…それ…本当…?」
「…お前その顔、俺以外のヤツに見せんなよ絶対」
無意識に男を煽る顔をするから…ホント困る。
こんな顔、絶対誰にも見せられない。
目の前にある細い首筋にキスをして、服でギリギリ隠れるくらいの位置に俺の痕を残した。
…そう簡単には消えないように、くっきりと。
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