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「俺が洗ってあげる。…隅々まで」
「ヤダ自分で洗う!先上がってて」
…変なとこ譲らないんだよな昔から。
「…なぁ渚。俺は片時もお前から離れたくないんだけど。お前はいいんだ?…1日中…心細かったんだけどな…」
こういう言い方をすれば、渚が折れてくれることくらいもうわかってる。
「……変なとこ触らないでね絶対」
ほら。俺の作戦勝ち。
…だけど言ったことは全部本音。
少しも離れたくない。
手を伸ばせば届く距離にいてほしい。
…せめて今日くらいは。
「…そういえばお前…昨日の夜佑真とどこにいた?」
聞かないでやろうと思ったりもしたけど…やっぱり気になる。
気になることは、早めにはっきりさせてすっきりしたい。
「……海に行ってたの。あの後恭ちゃんの家出てから、ちょうど佑真から電話がかかってきて…車で迎えに来てくれて」
…アイツ…手出してねーだろうな渚に…
「1人になりたくなくて…朝まで海見ながら喋ってたの。…ごめんなさい」
…嫉妬はするけど…俺のせいだから責めるわけにはいかない。
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