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「…それに晃が私のこと好きじゃないことくらいわかってるし。…もうやめようかな好きでいるの」
「やめようかなって…」
「…好きでいたって、苦しいだけだし」
珍しく弱っている沢に、なんて声をかけてやったらいいのか思いつかない。
日向はお前の事好きだから大丈夫だって言ってやりたかったけど…最近の日向を見てると、そうは言ってやれなかった。
日向は基本、誰にでも優しい。
それに俺とは違って誰にでも愛想がいい。
だから女の友達も多いし、よくタレントやモデルの子から慕われている。
だけど、深入りはしない。
あと一歩で届きそうな所にいても、壁があって簡単には踏み込ませない。
…いいヤツだけど、難しいヤツだと思う。
だけどまたそういう何を考えてるかわからないところに、女は惹きつけられるらしい。
…俺が女なら、自分みたいな男も嫌だけど…日向みたいな謎の多い男も無理。
人の気持ちを読み取れない事ほど…恋愛で苦労するものはないのかもしれない。
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