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「そうなんだ…恭ちゃん私、来週の日曜日から10日間ロンドンに行くの仕事で」
「…マジで?」
じゃあ…しばらく会えねーじゃん。
タイミング悪すぎ…
「多分朝早くの飛行機で行くと思うから…しばらく会えないね。…寂しいなぁ…」
…渚は最近、前よりも素直になったと思う。
寂しいって言ってくれることが…予想以上に俺には嬉しかった。
「……会えないからって…浮気しないでね」
「…お前の方がよっぽど心配だけど」
渚が浮気するだなんて少しも思ってはいないけれど、危なっかしいから心配。
…どんな男が寄ってくるかだなんてわからない。
かといって、毎日24時間彼女の傍にいて他の男から守れるはずもないし。
一緒に暮らし始めてからは、だいぶ安心できるようにはなったけど…会えなくなると思うと、いつだってやっぱり心配はつきまとう。
…いっそのこともう仕事なんて辞めて、俺から離れられなくなればいいのに。
そんなこと、絶対渚には言うつもりないけど。
歌なら俺の傍で俺のためだけに歌えばいい。
…なんて本気でたまに思ってしまう自分が怖い。
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