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「桃花とは…1度だけ仕事で会ったよ」
…あの事があって以来、桃花と会うことなんてないと思っていたけれど。
その後の仕事で1度だけ俺を指名してくれた。
「私、パリに戻ることにしたの。…もうこっちにいる意味ないし」
「…そっか」
「…またパリで一緒に仕事できるの楽しみにしてるから」
「…了解。俺も楽しみにしてるよ」
その姿は誰よりも凛としていて…出会った頃の桃花に戻った気がした。
「でも恭平惜しいことしたわよね、このスーパーモデルを振るなんて。いつか後悔しても知らないんだから。…でも…後悔なんてしないか。…相手があの子なら」
「…そうだな」
「…少しは否定してよ。…今は私の名前なんて聞きたくないだろうから…落ち着いたらあの子に謝っておいて。…酷いこと言っちゃったから」
…きっと桃花も、後悔していたのかもしれない。
渚を傷つけたことを。
「…あの子が羨ましかったのかも。…私にないものを持ってる気がしたから。あんなことして…もう許してもらえないとは思うけど」
「…渚はお前のこと恨んでないと思うよ。…でも、落ち着いたらちゃんと伝えておくから」
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