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その日の夜。
なかなか寝れなくて曲作りをしていたら、恭ちゃんから電話がかかってきた。
「ごめん遅い時間に。起きてた?」
…いつ聞いても胸に響く、低くて優しい声。
「うん…なかなか寝れなくて…曲作ってた」
「ふーん…俺がいなくて寝れないんじゃないの?」
…当たってるから、言い返せない。
「…うん本当にそうかも。…恭ちゃんが隣にいないと…寂しくて寝れない」
…続く沈黙。
…こんな恥ずかしいこと言わなきゃよかった…
「…お前さぁ…煽るなよ頼むから。たまに急にそういうこと言っちゃうんだよなお前って」
「えっ…ごめん…」
「いや、謝るとこじゃないから。…嬉しくて照れ隠し。…お前ロンドン行く日ずらせば?」
「無理だよそんなの…」
できることならそうしたいくらい。
1日でいいから、恭ちゃんに会って充電したい。
「あ…そういえば今日ね、恭ちゃんが言ってた意味わかったよ。日向さんって…謎な人だね」
謎な人っていうか…自分を見せない人。
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