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「…いつだって自分のことばっかり考えてる俺と一緒にいたって…幸せになれるはずないんだよ。美波が会いたいときに会ってやれない。…だから美波の気持ちに気付かないフリをするのが1番いいんだよ」
…きっと日向さんの言っていることは間違ってなんかない。
…だけど…私は納得したくない。
「…でも、好きなんですよね?美波さんのこと」
…タバコを吸ったまま、日向さんは答えない。
…そのはっきりしない態度が凄く嫌で…私は無意識の内にそのタバコを奪い取って灰皿に押し付けていた。
「ちょっと渚ちゃん…」
「いいんですか?本当に。…昨日恭ちゃん言ってましたよ。美波さんが他の人とくっつきそうだって」
「…工藤だろ?…いいと思うよ。…アイツなら美波のこと幸せにしてくれる…」
「日向さん…ちょっと勘違いしてませんか?…美波さんの幸せを決めれるのは、美波さんだけなんですよ」
…誰が幸せにするとかできるとか、そんなこと関係ない。
誰といて幸せかだなんて決めれるのは、本人だけ。
…そこに他人の意志なんて、いらない。
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