愛しいキミ

13/21
前へ
/493ページ
次へ
約2時間新幹線に揺られ、時刻は22時過ぎ。 目的地の京都に着き、またタクシーで恭ちゃんたちが宿泊しているホテルに向かう。 恭ちゃんにも美波さんにも電話をかけたけど、2人とも出ない…。 とりあえずホテルの近くでタクシーを降りた。 「多分飲んでるから気付いてないんだよきっと。今回の出張のメンバー、すげー酒好きのヤツ多いから2人とも付き合わされてるんだと思う」 「じゃあどこで待ちますか…?飲み屋1件1件探すのも大変だし…」 「いや、場所は大体見当付いてるんだ。行こう」 そう行って日向さんが連れて行ってくれた場所は、ホテルから歩いて5分くらいの所にあるレトロで小さな居酒屋。 「…ここにいるんですか?」 「多分ね。京都に来たらいっつもここで飲むのが恒例なんだよ」 …本当に京都まで来ちゃったんだ。 …美波さん…大丈夫かな。 「俺ちょっと1人で行ってくるから、渚ちゃんここにいな。渚ちゃんが入って行ったら、みんな驚くでしょさすがに」 「でも…」 「恭平はちゃんと連れてくるから」 「…美波さんも…連れて来て下さいね」 …ここまで来たんだもん。 2人がうまくいく結末しか、見たくない。 …日向さんに言われた通りに、お店の前で待つことにした。
/493ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17833人が本棚に入れています
本棚に追加