緑の章

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「富が登りし麓には影が伸びます、古来より長門の地位や財産を狙う者は数多いることに加え、 長門の歴史においては綺麗事ばかりでなく、他者や組織を踏み潰して建てたビルもあります。 長門へ恨みを持つ者は多く、現に長門を転覆せんとする者も今まで数多くいました。 もちろん、そのために甲と乙の分家があり、それを阻止、あるいは見せしめとしてさらしてきました、ひっそりと。 それはこれからも続き、長門を脅かせる者は今後もいないでしょう」 しかし、大和こそ真っ向から長門に大打撃を与えた史上初の人物だった。 聖は舌で唇を湿らせた。 「とはいえ、ここ数年も、陣様に対しよからぬことを企てている、という噂が重なって文様の耳に届くようになりました。 例えばこういった試練における脱落者とか、ほとんどが見えない敵であったり個人であったり、けど確かに、ストレスを愚痴る輩が増えてきたのです」
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