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このワイシャツをクリーニングに出し、再びアイロンのかかったあの着心地を得るのがボタン太郎の夢であった。
シケモクの一服を終えると、ボタン太郎はいつもの様に道端や自販機の底などに、現金を探し始めた。
するとどこからともなく声が聞こえる。
「ここに、千円札が落ちていますよ」
振り返るとそこには、至る所の骨が折れ、顔の崩れた幽霊が一体、大きなビルの入り口の自販機の裏側を指差している。
どうやら飛び降り自殺した幽霊らしい。
「おやおやこれはご親切に。このご恩は一生忘れません」
ボタン太郎は深々と頭を下げた。
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