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『一つ、他を思う強さは強さに非ず。強さとは、己の存在証明なり』
『一つ、弱者に価値無し。弱きは罪深き悪なり』
『一つ、力こそが正義なり。己の意を通したくば、力を以て事を成せ』
それがこの学校、藍刻(あいこく)学園の校訓である。
そんな学校に通う生徒が1人、霧裂竜夜(きりさきりゅうや)は今帰宅の準備を終えると、クラス担任の女教師倉橋香奈先生に呼び止められる。
「あ、霧裂君待ってください!」
倉橋先生の声に竜夜は億劫そうに返事をする。
「なんですか先生…」
「霧裂君だけなんですよ?来週のクラス内ランキング戦の参加表を提出していないのは」
この藍刻学園、いやこの世界には魔法がある。
それは化け物を倒すためにどこかのRPGみたいに異世界から来る化け物や魔王を倒すためのものでは断じてない、人間が、人間を殺すため、国同士の戦争に勝つ為のものである。
種類としては2種類。
方や自身は戦わず、召還獣を召還したり仲間を強化する魔術士。
方や自身を鎧で武装し、魔武器を持って戦う魔闘士。
この2種類が魔法を使う者の種類である。
そしてその魔法の学習、訓練を政府は積極的に行い学生の内から行おうとして藍刻学園のような学校があるわけである。
そしてこの藍刻学園含め、魔法の教育を行う高等学校では毎月クラスでのランキング、学年でのランキング、学内でのランキングを決める大会が行われる。
今竜夜が提出を求められているのはその大会(今回はクラス内のランキングを決めるもの)の参加表で、これを提出しなければその月の大会全てに出場出来ないのである。
それを竜夜はまだ提出していないのである。
「あ~、すいません…。明日出します…」
やる気なさげに言い、帰ろうとする竜夜を再度倉橋先生は呼び止める。
「待ってください!昨日も一昨日もそういって結局提出してないじゃないですか!今日中にもってきてください!」
内心面倒だと思いつつ、このまま帰宅前に呼び止められる方がもっと面倒だと考え今日中に持ってくることを約束し教室を後にする。
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