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倉橋先生に言われた通りの口上(呪文?)を言うと予想もしていないことが起きた。
首の無い石像、その宝玉があったであろう窪みが光り出したのだ。
竜夜、倉橋先生含めその場に居た者が全員石像に注目した。
するとどこからか声が聞こえてくる。
『貴様が儂の契約者か、貴様は何を求め、何を願う』
その声は低く渋い老人のような声だった。
(マジかよ、面白半分にしちゃ願ってもないハプニングだぜ…!俺の望みだ?そんなの、決まってる)
「強さだ!圧倒的な強さと、それに見合う敵だ!俺は楽しい戦いがしたい!燃えるような緊張と興奮が欲しい!」
竜夜が己の望みを告げると、先の声から返答が返ってくる。
『授けよう圧倒的力を、破壊と剥奪の闇の強さを。敵ならば自ずと現る、貴様がそれを望むなら、自然に巡り会う。楽しみにしていろ』
そう言うと竜夜の前に黒曜石のように輝く光が浮かんだ。
それは吸い寄せられるように竜夜の胸に吸収された。
(なにも、起こらねぇ…?)
目に見える変化がないことに疑問を持つが、直ぐに倉橋先生の言葉を思い出す。
(目に見える変化は後々顕れるだろうし、今は待つか…)
1人納得する竜夜の耳に倉橋先生の声が聞こえてくる。
「霧裂君いったいなにしたの!?今のはなに!?」
どうやら倉橋先生は自体が飲み込めてないようだ。
「なにって、儀式ですよ儀式。いや~面白半分にやってみましたけど、中々に面白いことが起きましたね」
予想以上のことが起き上機嫌な竜夜はいつになく口数が増える。
「あれ闇の力とか言ってましたし、やっぱこれ属性みたいなのあるんですね。あの石像壊れてたって言うし俺の儀式成功は結構イレギュラーだったりするんですか?」
「結構どころじゃないわよ…。これ、どう報告しようかしら…」
やはり相当のイレギュラーだったのか倉橋先生は頭を抱えてしゃがみ込む。
竜夜は上機嫌だからか軽い口調で言う。
「ありのまま報告すればいいんじゃないですか~?」
それが出来れば苦労しない。と倉橋先生は内心ため息をつく。
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