一回だけの善行

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「お早うございやす!お嬢!」 「お~~~す......」 私(あたし)『相川(あいかわ) 紫音(しおん)』は親父の組である相川組の組員に挨拶されながら食卓にでる。 「おはよ、お袋。」 「お早う紫音。相変わらず早いわね。」 和服を着て組員全員分の飯を作りながらお袋が笑う。 「まあな、早くしねえとあの馬鹿どもが来るしな......」 私は毎回突っ掛かってくる雑魚とその雑魚が惚れてるアホの顔を思い浮かべながら味噌汁を啜る。 ん~~~~~......今回は蜆と赤味噌か、相変わらずお袋の手料理は美味いな。 「ご馳走さん。」 私は飯を食い終えると鞄と壁に立て掛けてある愛用の木刀『夕凪』を持って家を出ようとして......溜め息を吐いた。 「お前ら......毎回見送りは止せって言ったろ。」 「お嬢、こうしねえと俺達は調子がでねえんでさあ。」 「たく......好きにしろよ。」 私は組員の見送りを受けながら歩きだした。 .......... 「で、またお前らか。」 私は目の前で仁王立ちしている茶髪の雑魚とその金魚の糞どもにわざとらしく溜め息を吐く。 「んだとぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?『翔』を虚仮にしたことは忘れねえぞこら!」 翔......?ああ、雑魚が惚れてるアホの名前だったな。 「はいはい......さっさとかかってこい。」 「(プツン!)死ねこの野郎!」 「トロイ上にキレんの速すぎ、弱い。出直してこい雑魚が。」 私はキレて襲い掛かってきた雑魚が振るったトロイパンチをかわし腕を引っ付かんでそのままへし折る。 「~~~~~~!!!!!」 悲鳴をあげながら倒れる雑魚、さあ学校に...... 「待て!」 行けなかった。 ......うぜぇ。
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