一回だけの善行

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「絢佳に何てことを......」 「うざい、屑が死ね。」 私はアホの顔を蹴って吹っ飛ばすとそのアホに毎回巻き込まれている哀れな子羊である『黒埼(くろさき) 将吾(しょうご)』の首根っこを掴んで歩き出した。 .......... 「おはよ!紫音!」 私が声に振り向くと私の唯一無二の親友である『雪沢(ゆきさわ) 沙羅(さら)』が笑いながら走ってきた。 「おっす、沙羅。じゃあ、私はこれで。」 私は黒埼を沙羅の目の前で放すと親指を上げながら走っていった。 因みに沙羅は黒埼の事を好きだ。で、私が暴力団の娘と知っても私から離れなかった唯一の友達だ。 だから私は沙羅の為に出来ることは何でもやるつもりだ。今も、これからもな。 .......... 「お早うございます!姉御!」 「おっす。」 私は窓際の一等席を確保している不良の席に座りながら返事をする。 私は此処ら一帯の高校の不良を統轄しているので不良どもは私を姉御と呼んでいる。 「姉御~~~~~聞いてくださいよ。あの色ボケ生徒会長がまた抜き打ちの持ち物検査をやるみたいなんすよ。」 「たく......何回やったら気が済むんだよ......」 私はアホに惚れている色ボケ生徒会長の顔を思い出しながらぶん殴りに行こうかと思ったが......いい考えを思い付いた。 「お前ら、あの色ボケ生徒会長を誘い出して......『ヤれ』。」 「おお.......」 「へい、勿論です。」 くくく......あのアホが呆ける瞬間が目に浮かぶぜ......
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