距離-③【完結】

翔吾

息を切らせながら私の前までやって来た。

｢本当に来てくれたんだ｣

軽くTシャツの袖で汗をぬぐいながら言った。

｢何それ。じゃあ、帰る!｣

翔吾の言葉にムッとした。

来いっていうから来たのに……

何、この態度!

息を整えている翔吾の横をすり抜けるようにして行こうとした。

｢待って!｣

すごく慌てた様子で私の腕を掴んだ。

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