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次の日。
あまり眠れなくて頭がボーッとしていた。
昨日、圭にはああ言ったけどどんな顔をしてればいいのかな。
圭もどんな顔をして私を見るんだろう。
そんなことを考えながら教室へと向かった。
教室の近くに来ると圭の笑い声が聞こえてきた。
私は心の中で胸を撫で下ろした。
「おはよう」
意を決してその中に飛び込んだ。
「おはよっ」
私の声にいつもと変わりない笑顔の圭がいた。
まるで昨日のことが嘘みたい。
圭もうまいね。
自分の気持ち隠すの。
あんなに弱い圭を見たのは初めてだったのに……今はもういつもの圭に戻ってる。
嬉しいような寂しいような複雑な気分だった。
でも日頃見せない圭のそんな『弱さ』を私だけが知っているっていう変な優越感を少しだけ感じていた。
そしてまたいつもと変わりない日が始まると思っていた……。
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