未練

5/8
40人が本棚に入れています
本棚に追加
/31ページ
「奈緒とここで会うのも、あと少しだな」 少し寂しそうに呟いた。 その姿に胸がギュッてなる。 「で、どうした?」 黙りっぱなしの私に呼ばれた理由が分からないらしく私を見た。 「圭……」 吸い込まれるように圭に抱きつき背中に手を回した。 あまりに突然のことに圭の体が硬直したのがわかった。 でも圭も答えるように私を抱き返してくれた。 「どうした?」 抱き締めながら圭が静かに聞いた。 「なんか寂しくて。もう卒業なせいかな?」 そう言って圭の胸に一層深く頬を埋めた。 .
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!