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「奈緒とここで会うのも、あと少しだな」
少し寂しそうに呟いた。
その姿に胸がギュッてなる。
「で、どうした?」
黙りっぱなしの私に呼ばれた理由が分からないらしく私を見た。
「圭……」
吸い込まれるように圭に抱きつき背中に手を回した。
あまりに突然のことに圭の体が硬直したのがわかった。
でも圭も答えるように私を抱き返してくれた。
「どうした?」
抱き締めながら圭が静かに聞いた。
「なんか寂しくて。もう卒業なせいかな?」
そう言って圭の胸に一層深く頬を埋めた。
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