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「先生?・・・聞いてますか?私、先生のこと好きですよ・・・?嘘じゃないです。フフッ・・・きっと私と先生の間には、赤い糸が結んであると思います。・・・・・・ねぇ、先生?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
よく晴れた夏の日に先生は学校に来なかった。なんでも先生の奥さんが亡くなったらしい。私は奥さんに会ったことがある。とても優しそうな笑顔で笑っていた。異様に綺麗な人だった。
先生はずっと悲しんでいて、授業を受けていると先生が泣きそうになったり、
毎日泣きはらした目して、酷いクマがあった。
私を含めクラス全員どうしようもなかった。
先生は生徒に慕われている。だからこそ、励ましや同情なんか言えなかった。結婚してまだ半月だった。もう一生逢えない。そんな辛い気持ち誰もわからなかった。
なにも出来ず、月日はただ流れていく。
秋が終わろうとする頃。先生は昔の調子を取り戻していた。
泣きはらした赤い目は肌と同じ色になり、真っ黒なクマはなくなっていた。そして昔より元気になっていた。
授業が終わった後、急いで先生話しかけた。
「こんにちは。」
「こんにちは。篠水、どうかしたのか?そんな急いで。」
「あっ、あの先生が元気になって良かったと思って。」
先生は少し辛そうに笑った。
「もぅ、大丈夫。心配してくれてありがとう。」
「・・・いえ・・・。先生に聞きたいことがあって・・・。先生が結婚した時みたいに元気だったので、少し気になったんです。」
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