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先生は驚いた顔をして、また笑顔になる。
「元気の理由が知りたいのか?」
にこやかに笑いながら、先生は言う。
私も笑って言う。
「知りたいです。悲しんでた時、すごく心配してたので。聞かない方がよっかたですか?」
「いや。じゃあ篠水には教える。でも、もうすぐ授業始まるから午後5時に屋上に来てくれる?」
「あっ、はい。わかりました。」
「じゃ、また後で。」
先生は廊下を歩いていく。私はその後ろ姿を見つめる。
ねぇ、先生?
先生が好きな色は赤って言っていたから私、赤い髪留めや赤いシュシュ使っているのに、反応がないなんて少し残念です。
短髪が好きじゃないんですか?亡くなった奥さん、綺麗で長い黒髪でしたよね。茶色がかった髪は好きじゃないんんですか?
元気の理由も知りたいけど、私は先生の好みも聞きたいです。そしたら私、こんなに悩まなくて済むのに。先生の好きな人になれるのに。奥さんの代わりになれるのに。
先生、ごめんなさい。
私、奥さんが亡くなった時、心の奥で喜んだんです。先生の幸せは大事だけど、私はいつまでも思いが実らないのは嫌なんです。
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