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いっそ私の事を嫌いになってほしい。
そうしたら私、この気持ち抑えられるのに。
「はぁ・・・」
溜息を吐き考えることを止めて教室に入る。クラスの男子はバカ騒ぎをして遊んでいる。正直うるさい。でも言わないで我慢する。
真ん中の一番前が私の席。
よく行儀が悪い子や授業をしっかり受けられない子が座る場所と思われいるが、私はそうじゃなくて、先生を目の前で見る為に前にしてもらった。目が悪いという嘘の理由で。
「どうだったの。」
後ろから声をかけられる。振り向くと樹と美里がいた。二人とも幼馴染であり、親友だ。私の思いを知っているし、信頼して相談できる。
「どうだったのって何が?」
「ほら、すぐ追いかけて行っただろ。その内容だよ。」
ニヤニヤしながら今城 樹が聞いてくる。
昔から樹は面白いことがニヤッとする。案外、外見が良いから女子に人気がある。話す時に少し顔を上げないと目線が合わない程背が高い、いわゆるスポーツマン。
「でどうだったの?」
目を光らせて聞いてくるのが旭 美里。
美里は学校の近くにある旭病院の一人娘でお金持ち。しかも、アイドル並の可愛さを持っているタレ目女子。ファンが多く親衛隊がいるらしい。
「なにボーっとしているの?」
美里が覗き込んでくる。
「二人とも外見が良くていいなぁと、思っていたんだよ。」
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