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ゴンッ
樹に軽く頭を叩かれ、いい音が響く。
「馬鹿じゃねぇの。そんなの生まれながらに知ってるから。」
「あぁ、わかったから。頭痛いでしょう、もぅ手加減ってものを知りなさいよ。もぅ馬鹿になったらどうしてくれるの。」
「そんなの知らん。」
満足気な樹を無視して、美里に話しかける。
「そうそう、美里。さっきの話しは昼休みでいい?樹は放っておいて、どっか静かな場所でご飯食べよう。」
「樹君は連れて行かないの可哀想だよ?」
「美里はやっぱり優しいなぁ。俺を置いてく人と違って。」
美里の頭を撫でながら、樹が私を見てくる。美里は撫でられながら私を見てくる。美里の腕を掴み、私の方へ引っ張る。
「美里駄目だよ。危ない人に近づいちゃ。」
「でも、樹君は危なくないよ?優しいよ?」
「良かったね、樹。美里は樹に騙されてるから優しいって言ってくれるんだよ。他の人は絶対言わないよ。」
「八重酷くね。」
そんなことを言いながら、私達は笑ってる。
私自身、このグループは仲が良いと思う。他から見ても仲が良いはずだと思う。いつも笑って、一緒にいる。
「どうしたの?八重?一人で笑ってるよ?」
「ただ、私達仲がいいなぁと思っただけだよ。」
「当たり前だろ。10年以上の付き合いなんだから。」
樹が自慢気に言う。確かに10年以上付き合えば、流石に仲が悪くはならないし、相当仲が良くなる。
いきなりポンポンと肩を叩かれる。
誰だろうと思って振り向くと。
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