第1話

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 ゴンッ  樹に軽く頭を叩かれ、いい音が響く。    「馬鹿じゃねぇの。そんなの生まれながらに知ってるから。」  「あぁ、わかったから。頭痛いでしょう、もぅ手加減ってものを知りなさいよ。もぅ馬鹿になったらどうしてくれるの。」  「そんなの知らん。」  満足気な樹を無視して、美里に話しかける。    「そうそう、美里。さっきの話しは昼休みでいい?樹は放っておいて、どっか静かな場所でご飯食べよう。」  「樹君は連れて行かないの可哀想だよ?」  「美里はやっぱり優しいなぁ。俺を置いてく人と違って。」  美里の頭を撫でながら、樹が私を見てくる。美里は撫でられながら私を見てくる。美里の腕を掴み、私の方へ引っ張る。  「美里駄目だよ。危ない人に近づいちゃ。」  「でも、樹君は危なくないよ?優しいよ?」  「良かったね、樹。美里は樹に騙されてるから優しいって言ってくれるんだよ。他の人は絶対言わないよ。」  「八重酷くね。」    そんなことを言いながら、私達は笑ってる。  私自身、このグループは仲が良いと思う。他から見ても仲が良いはずだと思う。いつも笑って、一緒にいる。    「どうしたの?八重?一人で笑ってるよ?」  「ただ、私達仲がいいなぁと思っただけだよ。」  「当たり前だろ。10年以上の付き合いなんだから。」    樹が自慢気に言う。確かに10年以上付き合えば、流石に仲が悪くはならないし、相当仲が良くなる。  いきなりポンポンと肩を叩かれる。    誰だろうと思って振り向くと。
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