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「みっ、源先生。」
「もう授業始めたいんだけどいいかな?」
「はい、すみません。」
クラスを見渡すと私達以外皆座ってクスクス笑っている。
絶対面白がって見てたなと、クラスメイトに少し怒りつつ席に着く。
源(みなと)先生は私の好きな先生ではない。肩を叩かれた時、少し期待してしまった。
私が恋している先生。
瀬戸 静弥先生。
名前は初めて会った時の自己紹介していたのを、私は即座覚えてメモを取った。
普通なら学校の先生の下の名前まで覚えている人は少ない。でも、好きな人の名前は誰でも覚えられる。そんな気持ちだ。
私は先生のことを瀬戸先生とは呼ばない。
先生と呼んでいると、この気持ちに背徳感が生まれる。それを私は大事にしている。
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