ヒカリ、いってきます!

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しおりちゃんが真ん中で、その右手をミクちゃんが、左手を私が握るという形で、お兄ちゃんに貰った地図を便りに学校を目指して歩いていると、 「……あ。あれってもしかして……とどめさん?」 通学路の途中で、前方にとどめさんと、あと一人、とどめさんと向かい合っている女の子の姿が見えた。 とどめさんは、本名『柊 止芽(ひいらぎ とどめ)』さん。私やお兄ちゃんの住んでいるマンションで、私たちの隣の部屋に住んでいる。 あと、あそこでとどめさんと向かい合っている女の子は……誰だろう。髪は赤色でストレートの二つ結び。可愛い子だなぁ。同い年かな? あ、でも雰囲気的に高学年って感じもあるなー。 ちなみにとどめさんは、お兄ちゃんより一つ年下で高校一年生。髪は淡い赤色の短めで、とても活発なイメージがある。 とどめさんがどれくらい活発かというと……あっホラ、今みたいにおさげの女の子の両肩を掴んで、そのまま顔を相手の顔に近づけて……。 ……え? 「見ちゃダメ!!!」 「「あうっ!?」」 突然! しおりちゃんの警告とともに私とミクちゃんの目の前に肌色のシャッターが降りる! 「し……しおりちゃん! 手をどけて! 今のってもしかして……キ、キキキキキキキキキスってやつじゃないかな!?」 「……しおり、手、じゃま…………!」 「だ、だめよ! こんなのあなたたちみたいに小さい子が見たら……き、教育に悪いっていうか!」 む、その教育に悪いって言葉、さっきも聞いた気が……。 「……あ、後ろから刹那、来たよ」 「え!?」 その発言につられてしおりちゃんが後ろを振り向く。ミクちゃんのナイス嘘きたこれ! 「すきありーー!!」 「なっ!?」 しおりちゃんが振り返ったそのわずかな隙をつき、私はその憎き手のひらシャッターを押し退けることに成功した。 ――そして、 私は目の当たりにした。 ――そう、これが、キス―――― 「ちょ、ちょっと! あんたたちなんでここにいるの!?」 が生で見れると思ったけど、その前にとどめさんはこっちに気付いてしまったようだ。とどめさんは女の子にギリギリまで近づけていたその顔を赤くしながら離してこっちを向いていた。ちぇっ。
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