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「……んあ?」
ミクちゃん家とおぼしき家のインターホンを鳴らしたところ、中からは青っぽい色の、ツンツンした髪の毛をした男の人が出てきた。
確かこの人は……お兄ちゃんと同い年の…………。
「アンタらが、ミクの言ってた……」
「はい! 私はヒカリって言います! ミクちゃんを向かいに来ました! ……あなたは『桐原 颯磨(きりはら そうま)』さんですね? お兄ちゃんから話は聞いてます!」
「……そォか。んじゃ、ミクのこと頼んだぞ」
颯磨さんがそう言って踵を返すと、ちょうどすれ違うようにミクちゃんがやって来た。
「……おはよう。ヒカリ。しおり」
「おっはよミクちゃん! じゃ、行こっか!」
私と同じ、真っ赤なピカピカのランドセルを背負って、ミクちゃんは扉をくぐる。それをしおりちゃんが笑顔で外の世界に導いた。
ちなみに、ミクちゃんも私と同じ小学三年生で、今日から入学です! 実はしおりちゃんも、学年は中学二年生だけど今日が初めての学校なのです!
「……あ、アンタ。……とあの奴、オレのこと何か言ってたか?」
私たちがちょうどドアに背を向けたとき、中から颯磨さんがこっちを向いて言った。……あー、そういえば…………。
「颯磨さんのことは、『ロリコン』で『コミュ障』なくせに『エセ不良キャラ』まとって『エセクールな雰囲気』まとってる『実はそんなに大したことない奴』って言ってました!」
「…………ヒカリ、言いすぎ。颯磨、凍ってる」
ミクちゃんに注意されてしまいました……。
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