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涼太くんとメグのそばまで来て聞き耳を立てる度胸のある人はいないみたいで、実際こういう会話なんだってことは知られてないけど。どっちも、迫力あるし。
「……まあ、涼太くんの言うことにも一理あると思うよ。ちゃんとしたもの食べた方が……あ、何なら明日から私がメグの分も作ろうか?」
「お前っ、そんなもったいないことすんな! 作るんなら俺の作れ!」
涼太くんが目の色を変えてそう言うと、がばっとメグに抱きすくめられる。
「朱音があたしの面倒見る必要はないよ。でも嬉しい、ありがとう!」
うぬぬ……と涼太くんはメグを恨めしそうに見つめた。
「お前なぁ、朱音は俺との付き合いの方がずっと長いんだからな。それを判って言ってるんだろうな!」
「何バカなこと言ってるの。愛に時間は関係ないって、知らないの」
ぎゅむ、と額にメグの豊かな胸の感触がして、複雑な気分になる。
野球部の元キャプテンと、生徒会長に溺愛されて悪い気はしないんだけど。
……正直ちょっと恥ずかしい。
「お前ら、何やってんの。そんなとこで」
涼やかな低い声が急に落ちてきて、びっくりした。
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