知らない横顔。

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  ゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。..。.:*・゚ 「朱音!」  お昼を終えて、教室に戻る途中呼び止められた。  振り返ると、そこには1年上の先輩──甲斐涼太がいた。  本当に赤ん坊の頃からの幼なじみである彼は、もう私の兄みたいなものだ。  夏まで野球部にいた涼太くんは、身体も大きいし目立つ。周りも涼太くんに視線を吸い寄せられる。 「また、外でメシ食ってたの」  笑いながらやってきた涼太くんを見て、隣にいたメグがあくびをした。 「そうよ。何か文句ある」 「お前に訊いてないし」  更に視線が集まる。理由は、生徒会長と野球部の元キャプテンが並んでいるから。  涼太くんとメグは、私を介してケンカ友達みたいなものだ。  でも、よくこうして一緒にいるせいか、ひそかな噂になっていることを、私は知っていた。  野球部の甲斐と、生徒会長の一色は付き合ってるんじゃないか──っていう。 「うわ。ポテト臭い。何お前、またジャンクなもの食ったな。ちょっとは朱音を見習って弁当作るとかしろ」 「親友と揃って同じことして、何が楽しいのよ。朱音がこういうの食べるなら、作ってやってもいいけど」 「何それ」 「親友だからこそ、対照的であるべきなんだから」 .
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