【罪は昏い深海へ。】

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  ゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。..。.:*・゚  虚無感が俺の真上に漂うのをじっと見つめながら、煙草に火を点ける。  隣で、起き上がれないでいる流華さんがクスッと笑った。 「なあに、その煙草。教師のくせに嫌味」  のろ……と顔ごと視線を流してやると、流華さんはあどけない笑みを浮かべ俺を見ていた。手元の煙草に視線を落とす。  ジャックポット・スリム・ゴールド。  箱も煙草のフィルター部分も金色に輝くこの煙草が、俺の目下の愛煙物だった。  まあ、確かに金色のフィルターは派手だ。  若い高校教師が咥えるには確かに嫌味かも知れない。  そうそう人前で吸うことなどないから、あまり気にしていなかったけど。  肩を竦めて笑った。  すると流華さんはごろりと仰向けになり、全身で溜め息をつく。 「あー……久しぶりにあんなにいっぱいいったぁ……」  何が、と訊ねるのはあまりにも野暮だった。俺がしたことなんだから。 「欲しがる人なのは知ってたけど……そんなに、足りないの」 「勘違いしないでね。いいのよ、うちの人」 「別に、そんなことで優越感持ちたいわけじゃないからどっちでもいいよ」 「でも……」  言いかけて、流華さんは口ごもる。そのまま俺に背を向け、落ち込んだような声で言った。 .
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