枯れ果てたいくらい。

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   明日という日が“明るい日”だなんて、いったい誰が決めたんだろう。  希望なんていうものは、不治の病なんじゃないかと思う自分の方こそ、どこか病んでいるような気がしないでもないんだけど。 ゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。..。.:*・゚  開店前のレジカウンターの中で、ブックカバーを折りながら溜め息をついた。  大して神経を使わないような、こういう作業をしている時はつい、余計な考えが頭を過ぎる。それがあたしの癖だった。  独特のにおいが、鼻をかすめる。  有線の軽いポップスを小さく流してはいるものの、それでもある種の静寂を感じる空間。  短大を出て、この書店に勤め始めてから5年目になる。  短大に入学した年、駅から学校に行く途中。  地方チェーン店の一店に過ぎないこの店の雰囲気が気に入って、バイトを始めた。  何かやりたいことがあるわけでもなかったから、先生や事務員の小言を聞き流しながら、進路も決めずに卒業した。  そうして、ついでのように正社員としてこの店で採用されたんだ。  この就職氷河期に死にものぐるいになって就職活動をしていた同級生達を見ながら、そこまでやる気のないあたしがそんな戦争の中をうまく生き残れるとは思わなかったし、もし間違ってどこかの内定が決まってしまったとしたら、自分よりももっと内定が欲しかった人を押し出してしまう。 .
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